その10文字を、僕は忘れない


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2016年7月

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四冠
総合
新作
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感動した
  • 著者:持崎湯葉
  • イラスト:はねこと
  • レーベル:ダッシュエックス文庫
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【作品詳細】

途方もなく、彼女のことが好きだった。宮崎菫(みやざきすみれ)は一日に10文字しかしゃべれない。それ以上は声にならないのだ。スケッチブックで会話をする彼女は教室で浮いた存在だった。けれど不器用でも懸命に対話しようとする姿と、誰よりも純粋な心に、俺は惹かれていった。図書館で勉強を教えてくれた時、横顔が気になって勉強どころじゃなかった。プールで見た水着が可愛すぎて、息が止まるかと思った。初めてケンカをして、初めて仲直りのキスをした――。「ありがとう」も、「ごめんなさい」も、「嬉しい」も、「大好き」も。大切なことは10文字でみんな伝えられるって、そう思ってた。でも、菫が背負う過去の痛みも、菫の隣にいることの意味も、俺はわかっていなかったんだ――。

【作品詳細】

途方もなく、彼女のことが好きだった。宮崎菫(みやざきすみれ)は一日に10文字しかしゃべれない。それ以上は声にならないのだ。スケッチブックで会話をする彼女は教室で浮いた存在だった。けれど不器用でも懸命に対話しようとする姿と、誰よりも純粋な心に、俺は惹かれていった。図書館で勉強を教えてくれた時、横顔が気になって勉強どころじゃなかった。プールで見た水着が可愛すぎて、息が止まるかと思った。初めてケンカをして、初めて仲直りのキスをした――。「ありがとう」も、「ごめんなさい」も、「嬉しい」も、「大好き」も。大切なことは10文字でみんな伝えられるって、そう思ってた。でも、菫が背負う過去の痛みも、菫の隣にいることの意味も、俺はわかっていなかったんだ――。

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持崎湯葉先生からのコメント
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ラノオンアワード10周年に寄せて
10周年おめでとうございます! 『その10文字を、僕は忘れない』は当時の編集さんと何度も議論を交わしてプロットを組み、執筆においても大いに苦しみながら作った物語でした。なので四冠をいただいた時はとても感激したことを覚えています。 今後もラノオンアワードに関わる物語を作れるよう、精進いたします!
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